本から目を離し、時計を見ると午後3時41分。動き出さなきゃ、と思うのに肌にまとわりつく水分を含んだおもたい空気がからだを押しつけ思考能力をも私からうばおうとしている。外を見ると、くすんだ色の綿が気だるそうに少しずつ動いている。短いようで、無限…
6月、こんにちは。 そう言ったのは、 ついこの間のことだった気がするのに。 気がつけば、 もうすぐ6月ともお別れをしなければならない頃。 あざやかで大ぶりのアジサイがあちこちに咲いて。 空気の中に、かすかな夏の香りをほのめかせ、 ことしも梅の雨が、…
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